プロジェクトの窮地を救ったハイパフォーマー(High-Performer)から来たフリーランスのエンジニア

プロジェクトが炎上してたんです。

総額3億円くらいのプロジェクトだったんですけど、

プロジェクトマネジャー(うちの社員)

一次受けベンダー(数社)

二次受けベンダー…

みたいな体制で、うちの社員が足りないってことで某大手外資系コンサル会社から30代半ばくらいのPMを1名呼んだんですね。

このPMが1人月300万円。1年間のプロジェクトだったんで、総額3,600万円を某大手外資系コンサル会社に払いました。

しかしこのPMがクソ。

まぁ全て丸投げにしていたうちの社員も悪いんですけど、リリース4ヶ月前になって報告上の進捗と実際の進捗が乖離しまくっていることが明るみに。

さらに計画通りに進捗している機能もバグが収束しない状況。

「進捗どおり順調に進んでいます!問題ありません!」

ってこのクソPMが言うもんだから、みんな信じてたのに…。

某大手外資系コンサル会社に大クレームを入れる。

ということですので、当社の役員レベルが某大手外資系コンサル会社を呼びつけて大クレームを入れました。僕も同席しましたが、ビジネスって怖いですね。場が凍りついてました。

もちろんそのPMは交代に。

全額発注してしまってたので、仕方なく某大手外資系コンサル会社から交代要員が選ばれることになったんですけど、現場レベルではもう某大手外資系コンサル会社を信用できなくなってるので、

  • 当社の社員がPMをやる(でも、そんな炎上プロジェクトに突っ込まれてもいいことないから、みんなやりたがらない)。

しかないんですね。

そこで選ばれたのが最も暇そうにしている僕です。このときは絶望的な気持ちになりました。会社辞めようかと思いました。

こんなの1人じゃ無理無理。

まぁでも無理なんですよ。こんな炎上プロジェクトを丸投げされたって。まともにやったら頭ハゲますよ。

「あー、明日あたり軽く交通事故なって3ヶ月くらい入院できないかなー」

なんてことを考えながら、ひとまず予算どれくらい残ってるものかと調べてみたら、まだバッファが残ってたんですよね。某大手外資系コンサル会社にプロジェクト管理費用として3,600万円払ってたんですけど、それでもまだ数百万円ある…。

「なんとかなるかも(ゴクリ)」

と希望が芽生えたのがこの瞬間です。

なにをやるにも大切なのはお金。

とはいえ、何をするにも一人じゃ無理ですし、某大手外資系コンサル会社の交代要員は雑用しかさせない(EXCELで集計とか)と決めていたので、もう一人PMをいれようかと。

そこで頼ったのが昔から取引のあった中小ITベンダー。

「いいPMいないですかねー?やばいんですよー」

って電話入れたら、探してみますと。

ハイパフォーマーから来たフリーランスのエンジニア

その中小ITベンダーに紹介されたのがHigh-Performerというサイトに登録されたエンジニアでした。

氏名:佐藤さん(仮)
年齢:48歳
性別:男
容姿:短髪

どこにでもいるおっさんでした。急いで面接したんですけど、第一印象は

「さ、冴えねぇ…」

でした。

正直なところ、フリーランスのエンジニアなんて信用できるかわかんなかったんですけどね。某大手外資系コンサル会社に騙された経験もあったんで、用心深くなってました。

しかし、その中小ITベンダーが佐藤さんといっしょに仕事をしたことがあるらしく、強烈にプッシュを受けたんですよ。佐藤さんなら間違いないと。じゃあという感じで契約に。

契約条件は以下のとおり。

契約期間:3ヶ月
単価:210万円/月

ちょっと単価高くない?って思いましたが、時間がないとのお金はあるのとで、まぁいいかと。佐藤さんがダメだったら、僕入院するから後は知らないやと…。

ちなみにですが、当社はけっこう大きな会社ですので、直契約はできません。その中小ITベンダーを一次受けにして契約したんですけど、中小ITベンダーが30万円中抜きしてます。High-Performerがいくら抜くのかわかりませんが、佐藤さんには月100万円以上が渡っているのではないかと思われます。

ハイパフォーマーから来た佐藤さん(仮名)が優秀過ぎた。

佐藤さん、優秀でした。

プロジェクト計画書とか業務要件書は赴任前に渡していたんですけど、しっかり読み込んでました。

赴任後にプロジェクトの一次受けベンダーのリーダークラスに紹介したあと、昼間は席にいなかったですね。とにかくノートパソコン持って、いろんな人のとこに行って情報収集。二次受けの若いプログラマーのとこにまで行って話し込んでました。

収集した情報をもとに問題点をひろいあげて僕のとこに報告しに来てくれたりして。

「じゃあよろしく!」

って言ったらよろしく問題解決してくれましたよ。僕なにもしてないです。

これで単価210万円は安いと感じました。

プロジェクトはどうなったのか。

で、結局プロジェクトはリリースを予定していた機能の7割だけを一次リリースにまわして、残りの3割は二次リリースに延期、もしくは開発中止に。それでなんとか納期とコストは計画通りになりました。

プロジェクトを進める上で、

「計画通りにいってないので、すいません要件調整させてください」

なんてよくあることですけど、こんなの絶対ユーザ側と揉めるじゃないですか。誰しもやりたがらない作業なんですけど、まぁそこも佐藤さんが頑張ってくれました。機能の優先順位づけとかですね。慣れてましたよ、佐藤さんはこういう修羅場を。

その後の佐藤さん(仮名)。

プロジェクトは要件調整を乗り切って無事(?)リリース。

佐藤さんとの契約期間3ヶ月もあっというまに終わりました。

プロジェクトの打ち上げで佐藤さんに

「今後どうするんですか?」

って聞いてみたんですけど、

「まぁ3ヶ月きっちり稼いだんで、1ヶ月くらい休みたいと思ってます」

とのことでした。これがフリーランスの働き方ですよね。好きなときに働いて、大金掴んでゆっくり休む。おそらく当社と契約した3ヶ月で400万円以上は稼いだのではないかと(年収1,600万円ペースか…)。

まぁ僕は技術のないエンジニアですので、フリーランスにはなれませんが、ああいう生き方は魅力的ですよね。佐藤さんに聞いたんですけど、High-Performerって大きな案件も扱っているそうで、100万円/月の案件もゴロゴロあるそうです。実力あればいくらでも稼げそうですよね。

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