僕の勤め先(IT企業)はそんなに小さい会社ではないんですけど、誰も大学生の新卒採用担当をやりたがりません。普段の業務が忙しくて時間が取れないっていうのが表向きの意見ですが、まぁみんな面倒なんですよね。
僕は大学生と話すのがそんなに面倒とは思わない(むしろ好き)ので、けっこう率先して新卒採用の面接官とかやってたりします。これまでのサラリーマン生活で10年ほどやってます。その中で、
「こういうことをエントリシートに書いている学生は採用しやすい!」
というのが分かってきたので、SEを志望する就活生の皆さんに向けて書いておきたいと思います。
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エントリシートに書くべき2つのこと。
結論から言うと、SE志望の就活生がエントリシートに書くべきことは以下の2つです。
- 協調性をアピールできるエピソード。
- 積極性をアピールできるエピソード。
エントリシートに慣れた方なら当たり前のように書いているかもしれませんが、僕が面接する限りはけっこう書けていない大学生が多いです。
協調性をアピールしよう
IT業界は個人プレーが多いと思って面接にくる大学生多いんですけど、そんなことはないんです。チームプレーが多いので、SEで何よりも重視されるのは協調性です。まわりの人とうまくやって仕事を進めていけるかですね。
なので、エントリシートには
・他人と同じ目標に向かって協力した経験(成功失敗は問わない)。
は必須です。
まぁでも
「僕はゼミの実習で、仲間と商店街活性化プロジェクトに携わり、コンペで優勝しました」
じゃ全く評価されません。あなたが何をやったかわからず、
「こいつ、なにもやってないんじゃないか?仲間がやったことを自分の手柄(フリーライド)にしてんじゃないか?」
という疑惑がぬぐえないからです。
なので、大切なのは
- あなたの役割はなんなのか。
- あなたはその役割でチームにどういう貢献をしたのか。
- あなた以外に同じ役割をした人はいたのか。
といった点です。なので、先ほどの文例だと
「僕はゼミの実習で、商店街活性化プロジェクトに携わり、チーム5人の中でサブリーダーをやっていました。サブリーダーは僕一人で、商店街の組合長に現在の売り上げ状況や、組合員の年齢構成、商店街の問題点をヒアリングしました。ヒアリングした内容はチームに持ち帰り、チーム全員で活性化案を検討しました」
くらい書いた方がいいです。ここまで書くと、チームの中でしっかりとした役割があり、その役割を果たしてチームに貢献していると認められます。
ただ、エントリシートには文字制限あると思いますので、書ききれない内容は面接で補足ですね。
繰り返しますが、協調性に関するエピソードはエントリシートに必須です。そして、チームの中で自分がどういう役割をしたのかをしっかり書いておく必要があります。チームの成果を書くだけでは面接官からのフリーライド疑惑は拭えませんし、フリーライド疑惑が拭えないと先には進めません。
積極性をアピールしよう
そしてもうひとつ。積極性もアピールが必要です。
「ゼミの発表テーマがいくつか決められていて、僕は最も興味があるものを選びました」
ではだめです。他人が準備したものを選ぶだけでは積極性をアピールできません。
「ゼミの発表テーマは自分が前々から興味を持っていたxxにしました。このテーマを発表するために、ゼミの仲間に声をかけ、4人チームを組むことにしました」
といったように、
- 人から与えらたのでなく、自分から何かを始めた。
- 何かを始めるために、周囲を巻き込んでいった。
という経験がエントリシートに書かれていると積極性をアピールできます。協調性が周囲と協力して目標に向かうことならば、積極性は周囲を巻き込み目標に向かって引っ張っていった経験ですね。
エントリシートには少なくとも2つのエピソードを。
よくあるんですけど、エントリシートにバイトのことばっかり書いてくる大学生がいます。こういう大学生だと
「面接で何を聞いたらいいんだろ…。質問思いつかねぇ…」
って面接官は苦しみます(面接官は事前にエントリシートに目を通して質問を考えます)。
自己PR:私は同じ目標に向かって他人と協力できる人間です。これはxxというバイトで養われました。これは…。
学生時代に力を入れたこと:私は大学時代にxxというバイトを続けていました。これは…。
バイトのことを書くのはいいんですけど、同じカテゴリの経験を異なる項目に書かれると面接官はとてもつらいです。質問のバリエーションが限られるんですよね。すなわち、学生の一面しか伺うことができないので、必然的に評価は下がります。
ということですので、
自己PR:私は同じ目標に向かって他人と協力できる人間です。これはxxというバイトで養われました。これは…。
学生時代に力を入れたこと:私はxxというサークルで学園祭での発表に向けて…。
といったように、エントリシートには少なくとも2つの違うカテゴリのエピソードを入れましょう。そうしてもらえると
「あー、これは質問しやすい。助かる」
って面接官は喜びます。質問の幅も広がるので、学生を多面的に知ることができ、結果として高評価につながります。
エントリシートで力をいれてなくていいこと。
逆にエントリシートで力を入れなくてもいいことも書いておきます。
志望動機は重視されない。
ここは賛否両論あると思いますが、現在のような学生有利な就職状況だと志望動機は「内定辞退の可能性」測るモノサシに使われることが多いです。
志望動機は内定獲得に直接影響するようなものではないので、そこまでオリジナリティを出したり、時間をかけることはないように思います。
いまの技術力は重視されない。
研究職ではない一般的なSEであれば、いまの技術力はあまり重視されません。プログラミング経験の全くない学生だって、SEなれますよ。
エントリシートに自分のプログラミング経験を長々と書いている大学生がいますが、あまり書きすぎていると面接官は若干不安になります。
「この学生、パソコンの前にばっかり向かってそうだけど、人とうまくやれるのかなぁ」
って思ってしまいます。協調性と積極性に欠けるのではないかと。自分の技術力をアピールしたい気持ちはわかりますが、エントリシートではほどほどにしておいたほうがいいです。技術力より協調性と積極性をアピールです。
ちょっと話はズレますが、よく大学生から
「文系出身なんですが、SEでやっていけますか?」
みたいな質問を大学生から受けますが、僕は必ずこう答えてます。
「全く問題ありません。文系出身で活躍しているSEはたくさんいます」
これは本当です。技術力なんて入社してから身につきます。
むしろ、大学時代のプログラミング経験なんて、社会人なったら大したことありません。入社して1年経てば、理系も文系も同じレベルになってます。
まとめ
SEを目指す大学生がエントリシートに書くべきことは以下の2つです。
- 協調性をアピールできるエピソード。
- 積極性をアピールできるエピソード。
そして、エントリシートには少なくとも2つの経験談を書きましょう。バイトの経験だけ、ゼミの経験だけ、ではなく、バイトとゼミの経験、バイトとサークルの経験といったように2つの異なる経験を書いておけばOKです。
最後に。面接中に話すときは笑顔で。多少緊張でひきつっていてもいいので笑顔で。笑顔でしゃべる大学生は少数派です。
そして、他の学生がしゃべっているときに、気の抜けた顔をしないように。面接官はしゃべっていないときのあなたを見ています。他の学生がしゃべっているときは、うなずいたり、顔の表情を変えてみたり、自分に話かけられているような態度をしておきましょう(これも協調性です)。